明治維新回天の剣、薬丸自顕流。それは薩摩に伝わる一死必殺の技である。
命もいらず名もいらぬ剽悍薩摩の兵児二才が朝な夕なの激しい稽古で鍛えに鍛えたこの剣は文字通り千鍛万錬。まさに薩摩武士の魂を練り上げた原点なのである。
剣を学ぶ現代的な意義とは何か。技の強さに拘泥するならばただの乱暴者で終わる。技の華麗に満足すれば舞踊となる。答えは心を磨くことに尽きる。技を先人に倣って修練し鍛錬するのは、必死三昧の精神性を自ら高めることに結実しなくては意味を持たない。そしてそれを日常のあり方に活かすこと、これが肝要である。